光と波の調和 2  -小さな洪水から生まれた発想- 

蛇口から滴り落ちるその一滴の連続が、時間の経過と共に、シンクから溢れだし、流れだし、小さな洪水となった。

 一つの滴(しずく)からのサイン。それはどういうことなのか彼女は見逃さなかった。
 一つの滴(しずく)から始まった、その小さな水浸し。
 その滴(しずく)が小さな波から大きな波へとなって一つの答えが彼女の心に響いていたのだ。

    「光は、波であり粒子である」

 
 本来ならば、滴(しづく)の集合体は、パイプに流れ、川に流れ、広大な海に流れる。
 何かにせき止められることなく、浄化され流れ続けるのだ。


      
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 しかしその日は、長年詰まっていたことも知らずして日々を過ごしてきたパイプであった。
 ほんの一滴の積み重ねが、気づかなかった束の間に、こんなに溜まっていくなんて。。。
 小さな威力。その一滴(ひとしずく)から「偉大さ」と「危うさ」の両面を瞬時にして感じ得えた。

 今まで見てきた洪水だけでは感じ得れなかった。
 今まで見てきた滴(しずく)からだけでは感じ得れなかった。
 今日彼女はその両面を瞬時に見せられたのだ。
 その瞬間、彼女の心になにかが流れたのだ。


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 ほんの小さな滴(しずく)を作り出したのは、彼女本人である。
 だがその時、彼女は気づいてはいなかった。
 
 大きな問題になる前に、気づいてくれる人がいた。

 それは他でもない彼女の信頼なる師であった。
 
 そして、さっとパイプの流れをよくしてくれたのは、人生の先輩でもあり良き友である。
 そっと手を貸してくれたのは人生の後輩でもあり良き友である。

 彼女自身では気づけないこともある。
 危うくなる前に、事が大きくなる前に常に発見と対処があり、常に彼女はなにかに誰かに守らている。
 そういつも彼女は誰かにそして見えない力にも守れていると感じているし、信じ切っている。
 なぜなら、それは彼女の周りでは、普段からいつも奇跡なことだらけだから。

 それなのに、それなのに、それでも尚、未だ自分で、自分の力で、頑なに何かを守りきろうとしている。
 もっともっと、もっと力をつけないと。もっともっと。もっともっと症候群。
 彼女は決して欲張りではないはずなのに。、、



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 そう彼女は薄々だが気づいていた。
 その一滴(ひとしずく)には常に「偉大なるもの」と「恐怖たるもの」が存在していることを。
 それが、彼女の無欲さと臆病さを作り出していた。

 彼女は無限を知っているが見たことはない。見たことのないものへの恐怖。
 波でいうならば、足のつく渓谷は好きだが、深い海は怖い。あの終わりない永遠さが怖いのだ。
 光でいうならば、勢いよくそのまま彼女さえも知らないどこかに、飛んでいってしまいそうな恐怖さえも感じていた。

 恐怖は、パイプを細くする。流れも細く、勢いも細い。
 時には恐怖に慄き、自らパイプを潰してしまう勢いさえもある。

 いらないブレーキをかけたまま、アクセルを踏んでいるようなものだった。





   
  
   


                                                     ・・・つづく




 光と波の調和 1.






光と波の調和 3
by atsu_at3 | 2015-02-19 08:00
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